法と心理学の発展のために
―科学研究費補助金分科細目表改正に当たって―



 文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会は、2012年3月に、科学研究費助成事業(科研費)審査の基礎となる分科細目表の改正を実施しました。
 
 その結果、各細目の対象となる研究内容を適切に表すキーワードとして、細目名「認知科学」におけるキーワードとして「法と心理学」が、同じく細目名「刑事法学」におけるキーワードとして「法と心理」が新たに設定されました。
 
 このような動向は、本学会を中心として研究されてきた「法と心理学」が学問分野として一定の社会的承認を受けたことを示しています。また「法と心理学」に関する研究が科学研究費の研究課題として採択されやすくなることが予想されます。「法と心理学」の一層の発展を促進するものとして、本学会ではその意義を高く評価します。
 
 他方で、「法と心理学」は本来、認知科学や刑事法学といった特定の学問の一分野に収まるものではなく、他の心理学や法学の分野においても広く取り組まれるべき研究であります。本学会は、様々な領域で「法と心理学」の研究が発展していくためには、本学会員が中心となって研究を組織し、現在、科学研究費新学術領域研究として取り組まれている「法と人間科学」のような包括的な学問分野が社会的承認を受け、その一分野として「法と心理学」が位置づけられるのが望ましいと考えます。
 
 本学会は今後、このような提案が実現するよう日本学術振興会等に働き掛けていくとともに、「法と心理学」がますます発展していくように努める所存です。

2012年10月 法と心理学会



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