責任概念班:人はどのような心理過程を経て、他者の行為に対する「責任」を問うのでしょうか。また、懲罰や賠償を求める心理はどのような要因に左右されるのでしょうか。法の専門家でない一般人の、法に関する素朴理解の内容を明らかにすること、そして、そのような理解の構造を法はどこまで考慮する必要があるのかを考えることが、この班の目標です。実験社会心理学、法社会学、文化心理学、倫理学などの分野を中心に、活発な学際研究を進めていきます。
グループ代表
名古屋大学 唐沢 穣
責任概念の素朴理解と非難を規定する心理過程の解明と法的概念の教育方法の考案
唐沢 穣(名古屋大学)
松村 良之(明治大学),村上 史朗(奈良大学),膳場 百合子(早稲田大学),
奥田 太郎(南山大学)
本研究の目的は,法の専門教育を受けていない一般の人々が法的な概念をどのように理解し,これを判断に用いるのかを解明することである。特に,「責任」の概念を中心に,これと関連する諸概念について,法の専門家がもつ知識と一般人の「素朴法理解」との間の乖離や共通性を明らかにする。本研究の結果をもとに,紛争解決の当事者の状況認識や,第三者(たとえば裁判員やマス・メディア)の思考様式を予測するための一助とすることや,法教育における指針を提供することを目指す。
具体的テーマは以下のとおりである。
唐沢研究室 http://www.psy.sis.nagoya-u.ac.jp/klab/index.html
南山大学社会倫理研究所 http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/ISE/
唐沢 穣 責任概念の素朴理解と非難を規定する心理過程の解明と法的概念の教育方法の考案
奥田 太郎 責任概念の分類と内実―瀧川裕英の分析に基づいて―
膳場 百合子 社会心理学における責任判断モデル
松村 良之 DWI Court、RISEプロジェクト
村上 史朗 規範逸脱の「相場観」:記述的規範の効果の検討