日時:2014年3月22日(土)14:30-17:00
場所:関西学院大学上ケ原キャンパス
西田 公昭(立正大学),戸谷 嘉秀(兵庫県弁護士会所属弁護士),山崎 優子(立命館大学),村山 綾(関西学院大学・応用心理科学研究センター),大坪 庸介(神戸大学)
裁判員制度が施行され、日本でも司法が国民にとってより身近なものとなった。また、これにともない、重大な刑事事件の法的判断にはこれまで以上に多くの属性の人間がかかわるようになった。その象徴ともいえる評議は、専門家、非専門家で形成される、その場限りの一時的集団による、今までに経験したことのない判断が要求される重大な意思決定過程(多人数インタラクション場面)と捉えることもできる。このようにある意味特殊ともいえる環境下で、専門家と非専門家はどのようなやり取りをしているのだろうか。また、そのような環境下で行われる意思決定の特徴を 理解する必要はないだろうか。個人レベルの検討(例えば一般市民の法的判断過程)は研究知見が積み重ねられているように思うが、最終的な意思決定がゆだねられている集団レベルの検討はいまだ十分とは言えない。しかしながら評議体がその任務を十分に果たすために重要な要因や、専門家-非専門家コミュニケーションの特徴を学術的に理解し、その結果を現場に還元する必要性は高いのではないだろうか。社会心理 学者および弁護側の立場から見た裁判の現状と問題点や、これまでに社会心理学的アプローチから得られている最新の評議研究の知見を報告するとともに、司法の場に社会心理学がどのようにかかわることができるのか、法律専門家、社会心理学者を交えて議論する。
主催:関西学院大学応用心理科学研究センター
協賛:新学術領域研究「法と人間科学」