公募班(金澤潤一郎):窃盗などの軽犯罪で執行猶予を受けた触法者の中には、発達障害特性をもつために安定した生活を送ることが困難な者が多い。本研究では、そのような触法者について、臨床心理の実務家が弁護士やケースワーカーと連携しながら、コンサルテーションを行い、ケースワーカーが臨床心理学的な視点も含んだ支援を行い、将来的な再犯の防止を目指します。さらに支援が触法者の社会復帰や気分状態などに及ぼす影響を検討するという実践研究を行います。
グループ代表
北海道医療大学 金澤 潤一郎
福祉領域での発達障害特性を考慮した触法者に対する臨床心理学的コンサルテーション
金澤 潤一郎(北海道医療大学)[臨床心理学]
堀内 聡 (北海道医療大学心理科学部,日本学術振興会特別研究員)
窃盗などの軽犯罪で執行猶予を受けた触法者が利用できる資源に、障害者総合支援法にもとづく相談支援事業所が提供する一般相談がある。これは、福祉面での支援に向けた相談以外の相談をさす。一般相談の利用者の中には、発達障害特性や常習化した行動パターンのために、安定した生活を送れない者も多い。このような利用者への支援ニーズは増加すると見込まれる。
臨床心理学では、発達障害や問題行動の頻度を減らすための支援法が多く開発されている。一般相談において、臨床心理学的な支援を導入することは有効な手立てになるかもしれない。しかし、発達障害特性や行動パターンに応じた臨床心理学的な支援を一般相談に導入する試みは我が国では皆無に等しい。そこで、本研究では、臨床心理の実務家が弁護士やケースワーカーと連携し、コンサルテーションを行い、ケースワーカーが臨床心理学的な視点も含んだ支援を行うという新たな試みを行う。
記事はありません。