公募班(櫻井義秀):カルト問題は、オウム事件や統一教会の霊感商法を含めて広範に被害者が出ております。しかし、民事の損害賠償請求訴訟を除けば、脱会後の社会復帰に向けたカウンセリングやリハビリテーションの環境はまだまだ整ってはいません。本研究では、逆境を経験したサバイバーから「生き抜く智恵」「立ち上がる力」のヒントを学ぶアクションリサーチや研修会の実施を企 画します。私の専門は、宗教社会学、東アジアにおける比較宗教文化論を広くやっております。よろしくお願いします。
グループ代表
北海道大学 櫻井 義秀
カルト被害の救済と回復-レジリアンスの視角から
櫻井 義秀(北海道大学)
カルト被害の救済は民事の損害賠償請求訴訟によるところが大きく、被害者の精神的回復にはカウンセリングや自助グループへの参加が効果的である。カルト経験を相対化して人生観や社会観を再構築し、人間や社会への信頼を取り戻す過程なしに、被害者の社会復帰は難しい。このような心理的・社会的プロセスを裁判、カウンセリング、自助グループ活動において捉えるべく、問題解決志向の参与型調査によって明らかにしたい。そのことによって、カルト事件の裁判、被害者対応のカウンセリングへ役立つ知見を蓄積できると考える。
その際、逆境を経験した人々が獲得した生き抜く力や知恵に着目した概念であるレジリアンスに着目し、どのような条件・環境でカルト被害のサバイバーたちはこの力を獲得したかを身アクション・リサーチによって明らかにする。同時にカルト被害の防止や相談業務に関わる人々へ情報提供を行うセミナー等を開催する。
研究者ホームページ→ http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~n16260/
櫻井 義秀 大学のカルト対策