公募班(安田裕子):DV被害に遭った母子は,加害者による追跡や身内・友人への被害の拡大を恐れ,各地を転々としたり人とのつながりが築けずに,安心を得にくい状況にあると いえるでしょう。安定した日常を得るには,社会でいかなる援助が受けられるかによります。本研究では,①現場支援者間,②現場支援者と弁護士といった異な る専門家間での,連携の実態と可能性についてインタビュー調査を行い,予防的な地域援助の土壌を肥やすことを目指します。
グループ代表
立命館大学 安田 裕子
DV被害母子支援の地域連携―福祉・心理と司法の融合に向けたアクションリサーチ
安田 裕子(立命館大学)[臨床心理学,生涯発達心理学]
村本邦子(立命館大学・応用人間科学研究科・教授)
渡邉佳代(立命館大学・心理教育相談センター・カウンセラー)
川本静香(立命館大学・文学研究科博士課程)
本研究課題では,DV支援について,①各地域内外での現場支援者間,②現場支援者(福祉,心理)と弁護士(司法)といった異なる専門家間での,連携の実態と可能性について調査・検討し,次の3つの目的をもって実施するものである。
目的1は,DVに関わる民間支援団体が各地でどのような援助を組み立て,いかに実践活動を継続してきたのか,そして都道府県内外で関連諸機関といかに連携体制をとってきたかを明らかにすることである。目的2は,現場支援者(福祉,心理)と弁護士(司法)という異なる専門職の間での,DV支援に関する連携の現状と今後の展開可能性を把握・検討することである。そして目的3は,これらを総括したシンポジウムを開催し,また報告書を作成・配布することである。本研究課題全体として,母と子ども,援助者同士,地域内外,福祉・心理と司法とをむすぶ,DV支援の連携体制の構築を目指すものである。
安田 裕子 DV被害母子への支援とその連携可能性(中間報告)