日時 : 2014年1月15日(水) 13:00~15:00
場所 : 法学部大会議室
講師 : 市川寛氏(弁護士、元検察官)
※講演会終了後、懇親会も予定しています。参加を希望する方は、1月10日までに、豊崎七絵(担当教員)にご連絡ください(アドレスは @law.kyushu-u.ac.jp の前に nanae を付加)。
※この講演会を企画した趣旨について
元検察官の市川寛氏は、その著書『検事失格』(毎日新聞社、2012年)というノンフィクションにおいて、検察内部の「教育」や「統制」や、その「成果」としての検察官による取調べの実態について、自らの実体験に基づいて、率直に描いておられます。現役の検察官はもとより、検察官経験者の書であっても、ここまで包み隠さず検察の実態を明かすものはありませんので、同書は大変注目されています。市川氏は、「佐賀市農協背任事件」の主任検事時代、違法な取調べ(被 疑者に対する暴言)を行ってしまうのですが、『検事失格』では、その経緯についても詳細に記されています。
「検察の在り方検討会議提言」の冒頭でも書かれていますように、厚労省元局長無罪事件、同事件の主任検事による証拠隠滅事件などによって、「特捜部に対する信頼」は「根底から失墜」し、検察への「不信」が強まっています。現在、この「提言」を受けて、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会の審議が進んでいますが、取調べの可視化をはじめ、刑事司法改革の方向性については予断を許さない状況が続いています。
かかる検察改革ないし刑事司法改革のあり方を見誤らないためには、まず、現状を正しく認識することが必要ですが、法学府の学生にとっても、市川氏の検察官としてのご経験をお伺いすることは、大変有益ではないかと考えています。
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