法と心理学会について

理事長あいさつ

 

法と心理学会は2020年に20周年を迎えました。前任の第7期・仲真紀子理事長の下、20周年を記念する様々な取り組みが行われました。2019年大会において実施された二つの記念シンポジウムを皮切りに、20年の節目となるいくつものプロジェクトが会員の総力を結集して展開されました。新しいホームページもその一つです。とても見やすく現代的になりました。同時に、会員制度の見直しや、理事定年制の導入、オンライン選挙の実施、事務局機能の一部外注化等、学会の運営や体制の見直しも行いました。電子書籍の刊行準備、若手研究者奨励制度の新設、広報活動の強化など、研究活動の推進や成果発信も強化されました。第8期理事会は、気持ちを新たにして次の10年に向けて学会の諸活動を支えていきます。

 

心理学と法学を架橋する当学会のミッションは、社会における様々な諸課題に対して、二つの学問領域の持つそれぞれの知見や経験、方法論等を相互に活用、利用しながら、より良い「解」や新しい「捉え方」を見出すこと、そして、そうした二つの学問領域を横断する基礎理論を深めていくことだと考えます。

 

そのために、第8期理事会では、前期に引き続いて三つの目標を踏襲したいと思います。

第一に、学会の研究成果の社会への還元に力を注ぎます。研修やワークショップなど、様々な領域のプロフェッションに会員の研究成果が届くように努めます。

第二に、若手会員の研究活動を支援し、研究成果を生み出しやすい環境を整えます。本学会のみならず団塊の世代が引退を控えており、研究者人口の減少も危ぶまれています。そうした現状を少しでも改善できるような取り組みをしていきたいと考えます。

第三に、国際交流を推進していきます。コロナ禍によって海外学会も軒並み中止や延期に追い込まれており、国際的な学術交流が滞っていることは否めません。確かにオンラインでのイベントは安価で手軽ですが、研究者の間で、魂が触発するような瞬間を失っていると感じるのは私だけでないでしょう。できるだけ早く海外の研究者との交流を復活させたいと考えます。

会員諸氏には、ご支援、ご協力をお願い申し上げる次第です。


2021年10月

第8期理事長 指宿 信