公募班(松尾加代):目撃者遂行型調査は、記憶が他の要因によって変容する前に、事件を目撃してから出来る限り早い段階に情報を獲得することを目的として、英国で開発されました。本研究は、目撃者遂行型調査の日本語版を作成し、日本人を対象とした実験を通して、その効果および妥当性と信頼性の検討を行うと同時に、一般的な人間の記憶メカニズムの解明および記憶の再生の文化的差異を探ることを目的としています。
グループ代表
慶應義塾大学 松尾 加代
目撃者遂行型調査の効果の検討
松尾 加代(慶應義塾大学 研究員)[認知心理学]
三浦 大志(慶應義塾大学先導研究センター 研究員)
正確な目撃情報の獲得は、事件や事故を捜査する上で重要な役割を担っているが、情報収集には事件・事故の発生から相当の時間を経過した後に行われることが多く、記憶の変容が懸念される。英国で開発された目撃証言者遂行型調査は、記憶が他の要因によって変容する前に、事件を目撃してからできる限り早い段階に情報を獲得することを目的としており、すでに現地警察で採用されている。
本研究は、目撃者遂行型調査の日本語版を作成し、日本人を対象とした実験を通して、その効果および妥当性と信頼性の検討を行う。また、目撃者遂行型調査が時間経過後の記憶の再生にどのような影響を及ぼすかなどの検討を行う。さらに目撃者遂行型調査の効果を日本で検討することを通し、一般的な人間の記憶メカニズムの解明を行う一方、記憶の再生の文化的差異を探る。
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