法と心理学会大会発表賞

第23回法と心理学会 大会発表賞

 第23回大会時の発表に関して、会員各位からの投票を募りましたところ、「取調べ技法及び記録媒体の違いによる信用性・任意性判断の特徴量的分析と質的分析による検討 」が最多投票を獲得し、これによりまして、ご報告者に大会発表賞を授与することが決定されました。


■ 受賞発表

 題目: 取調べ技法及び記録媒体の違いによる信用性・任意性判断の特徴 量的分析と質的分析による検討  


 報告: 大橋靖史(淑徳大学) 山田直子(関西学院大学) 指宿信(成城大学) 北村亮太(フリーランス)


 概要: 代表的・体系的な取調べ技法に PEACE Model と REID Technique がある。本研究では、これら 2 種類の取調べ技法及び映像・音声・逐語反訳という 3 種類の記憶媒体の違いにより、信用性・ 任意性の判断がどのように異なるかについて、量的研究法と質的研究法を用い、その特徴を比較検討した。実験では、両技法の取調べシナリオに基づき模擬ビデオを作成し、実験協力者に呈示 した。その際用いた記憶媒体としては、映像・音声・逐語反訳の 3 種類を用いた。各実験協力者には、取調べ技法(2)×記憶媒体(3)=6 種類のいずれかの刺激を呈示し、呈示後、信用性・任意性に関わる質問紙と面接を実施した。質問紙については量的、面接については質的分析を行っ た。本発表では、質問紙と面接による判断とその根拠の違いについて、特に、信用性・任意性を判断する根拠の多様性を生み出す取調べ技法・記憶媒体について検討した。  



これまでの受賞者

発表大会受賞者題目
第22回

杉本菜月(⽴命館大学大学院) 

中⽥友貴(⽴命館⼤学) 

サトウタツヤ(⽴命館⼤学) 


裁判員裁判の評議における、意⾒変容プロセスの分析
第21回福島由衣(日本大学)
向井智哉(東京大学)
相澤育郎(立正大学)
入山茂(東洋大学)
心理学的知見を裁判官はどのように評価しているのか:刑事裁判判例の計量的研究
第20回平岡義博(立命館大学)科学鑑定の結果表現における鑑定者の心理
第19回寺口司(大阪大学)
内田遼介(法政大学)
大工泰裕(大阪大学)
体罰被害の規定因:体罰被害生徒数を用いた検討
第18回
山崎優子(立命館大学)
山田直子(関西学院大学)
指宿信(成城大学)
北村亮太(ボイストレーニング)
取調手法によってもたらされる被告人への偏った印象はカメラアングルによって強化される
第17回山本聡(神奈川工科大学)日本人の主権者教育:契約・取引の社会と関係性・配慮の社会の比較を視点として
第16回徳永留美(立命館大学)
原菜帆(立命館大学)
篠田博之(立命館大学)
目撃証言における修飾語を伴う「見た」とその確信度について
第15回村山綾(関西学院大学)
三浦麻子(関西学院大学)
円滑な情報共有を促進する専門家-非専門家による評議手法の検討
應治麻美(名古屋大学)
藤本亮(名古屋大学)
唐沢穣(名古屋大学)
藤田政博(関西大学)
Moral Judgmentと「ごまかし・不正」の心理
第14回若林宏輔(立命館大学)評議構造の可視化:評議の人数比が評議構造に与える影響
第13回大森馨子(神奈川大学)
五十嵐由夏(神奈川大学、首都大学東京)
和氣洋美(神奈川大学)
厳島行雄(日本大学)
痴漢犯人はどこにいる?:立ち位置と左右手の観点から
第12回後安美紀(ATR知能ロボティクス研究所)想起する身体:消えたマイクロスリップをめぐる語りの心理・言語学的考察